保険会社の治療打ち切りについて

むちうち、頚部捻挫の方からよく相談を受ける治療打ち切りについて考察します。

治療打ち切りに関する裁判所の判例(京都地裁)によれば、以下のとおりとされています。

「任意保険による治療費の負担は、損害額が確定している場合を除き、被害者の直接請求権の対象とならない。 保険会社が任意一括を説明、治療費の負担を申し出たとしても、治療費を直接の債務として引き受けるまでの合意がなされたとは考えられない。

したがって、任意一括による治療費負担が被害者にとって便利であり、保険制度における被害者救済の機能を果たしているとしても、それが継続される反射的利益について、いつの場合でも保護されるものではない。

一括払制度の趣旨の1つとして、被害者の治療を容易ならしめることがあるとしても、賠償すべき損害の範囲等に争いがある場合にまで、支払いを継続すべき義務を負担するものではない。
一括払いの中止により、被害者が裁判上の手続きを含めた事後的な賠償請求に及ぶ方途についてまでも、これが閉ざされるものではない。」

裁判所の判例によれば、要するに
(1)保険会社が治療費の支払いを約束しても、決して無期限の約束ではないこと、 
(2)保険会社が治療の必要性を認めないと判断した場合は、打ち切ることができること、
(3)不服があれば、裁判に訴えることが出来るのですから、この程度のことで慰謝料の請求はできないこと、
これが裁判所の示した判断です。

治療打ち切りについては弁護士が介入しても食い止めることは困難です。
ですので、保険会社の担当者と無用な口論などは建設的ではありません。

ただし、むちうち、頚部捻挫等の後遺症の申請との関係で適切な対応が必要ですので、早めに弁護士に相談してください。


 

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