被害者請求でなければならない理由

後遺障害の認定申請には、被害者自身が手続する被害者請求と、相手方任意保険会社が代行する事前認定があります。
実務上、大多数のケースでは事前認定により後遺障害の認定申請が行われています。被害者が被害者請求という方法を知らないことや、事前認定のデメリットを知らないこと、事前認定の方が被害者に煩わしさがないという理由によると思われます。

しかしながら、事前認定については、以下のデメリットがあると思われます。

 

(1)一括社意見書の存在

事前認定では、一件書類に一括社意見書を添付することが義務づけられています。

被害者の後遺障害を薄める目的でこれらが利用されています。

意見書は、常に保険会社に有利なものとなります。

多く保険会社は露骨にそんなことはしないとは信じたいのですが、医師でもない保険調査員が作成した医療調査のレポートを添付したり、被害者を診察したこともない、保険会社から報酬を受けている保険会社寄りの顧問医の意見書が添付される可能性があります。

被害者請求では任意一括意見書の添付は要求されていません。
上記のような被害者に不利な意見書の添付を回避するのであれば、被害者請求しかありません。

 

(2)認定に至る時間の問題

保険会社の査定担当者は、1人で150件程度の被害者ファイルを管理しています。
たとえば、ある被害者から、後遺障害診断書が郵送されてきたとします。
後遺障害の事前認定を調査事務所に依頼するには、受傷時と症状固定時の画像、 すべての治療先の診断書と診療報酬明細書を揃えなければなりません。
しかし、多数の案件を抱えているため、事前認定は遅れがちになるおそれがあります。

 

(3)事前認定での自賠責保険金

示談完結まで保険会社が管理します。
保険会社に後遺障害診断書を渡して事前認定をお願いすると、認定された時点で、 保険屋さんから口頭で等級が通知されます。
その直後から、示談交渉が開始され、むち打ちで14級9号が認定された場合であれば、後遺症部分の提示額は自賠責75万円だけということも多くみられます。任意保険会社が自腹を切らないということです。
自賠責の保険金は、示談が完了するまで、保険会社に握られたままとなります。

 

(4)被害者請求での自賠責保険金

被害者が加害者の加入する自賠責保険に対して被害者請求を行ったとき、 自賠責保険は、自賠法16条の4で、請求時の書面の交付、支払時の書面の交付、 支払わない場合の書面の交付が義務づけられています。
通常は、申請後1週間で審査が行われ、40日後に認定通知と自賠責保険の払込が実行され、 その場合、被害者の指定口座に自賠責保険の認定額が振り込まれます。

例えば、7級が認定された被害者の場合、自賠責保険の認定額は1051万円です。
地裁基準、37歳の男性であれば、事案によりますが、後遺障害部分で6442万円の損害が認定される可能性があります。
保険屋さんの提示する後遺障害慰謝料は500万円ですが、地裁では、1000万円となります。

事前認定で、後遺障害が認定されると保険屋さんは積算明細書と示談書を持参し、示談協議に入りますが、 多くの被害者は、先の7級の例でいえば、後遺障害部分で6442万円も評価されることを知りません。

任意保険基準と地方裁判所基準の違いすらわからない一般の被害者は、保険会社から「後遺症部分の評価として1051万円をお支払いします」といわれても、よくわからないので、そんなものかと判子をついてしまうのです。

事前認定で自賠責保険の認定額が握られたままでは、このようなトリックに簡単に引っかかり、 裁判になれば獲得できるであろう水準を大幅に下回る額でまとまってしまうのです。

後遺障害について、被害者請求を実施していれば、自賠責から1051万円が先行入金されます。 解決を、財団法人交通事故紛争処理センターもしくは訴訟を提起して行えば、地方裁判所基準で積算され、 実際に保険会社が負担する金額がガラス張りになります。


 

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