25頭部外傷 高次脳機能障害認定の3要件
1)頭部外傷後の意識障害、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が存在すること、
①当初の意識障害、半昏睡~昏睡で、開眼・応答しない状態、JCSが3~2桁、GCS、12点以下が少なくとも6時間以上続いていることが確認できる症例、
②健忘あるいは軽度意識障害、JCSが1桁、GCSが13~14点が、少なくとも1週間以上続いていることが確認できる症例、
意識障害 JCS |
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Ⅰ覚醒している (1桁の点数で表現) |
0 意識清明 1(Ⅰ-1)見当識は保たれているが意識清明ではない 2(Ⅰ-2)見当識障害がある 3(Ⅰ-3)自分の名前・生年月日が言えない |
Ⅱ刺激に応じて一時的に覚醒する (2桁の点数で表現) |
10(Ⅱ-1)普通の呼びかけで開眼 20(Ⅱ-2)大声で呼びかける、強く揺するなどで開眼 30(Ⅱ-3)痛刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼 |
Ⅲ刺激しても覚醒しない (3桁の点数で表現) |
100(Ⅲ-1)痛みに対し払いのけるなどの動作をする 200(Ⅲ-2)痛刺激で手足を動かす、顔をしかめたりする 300(Ⅲ-3)痛刺激に対して全く反応しない |
この他、R(不穏)I(糞便失禁)A(自発性喪失)などの付加情報をつけてJCS200-Iなどと表す。
乳幼児意識レベルレベルの点数評価 JCS |
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Ⅰ刺激しないでも覚醒している (1桁の点数で表現) |
1あやすと笑う。ただし不十分で声を出して笑わない 2あやしても笑わないが視線は合う 3母親と視線が合わない |
Ⅱ刺激すると覚醒する (2桁の点数で表現) |
10飲み物を見せると飲もうとする。 あるいは乳首を見せればほしがって吸う 20呼びかけると開眼して目を向ける 30呼びかけを繰り返すと辛うじて開眼する |
Ⅲ刺激しても覚醒しない (3桁の点数で表現) |
100痛刺激に対し、払いのけるような動作をする 200痛刺激で少し手足を動かす、顔をしかめたりする 300痛刺激に対して全く反応しない |
GCS E○+V○+E○=合計○点と表現 正常は15点満点、深昏睡は3点、点数は小さいほど重症 |
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開眼機能E (Eye opening) |
4自発的に、または普通の呼びかけで開眼 3強く呼びかけると開眼 2痛刺激で開眼 1痛刺激でも開眼しない |
言語機能V (Verbal response) |
5見当識が保たれている 4会話は成立するが見当識派が混乱 3発語は見られるが会話は成立しない 2意味のない発声 1発語みられず |
運動機能M (Motor response) |
6命令に従って四肢を動かす 5痛刺激に対して手で払いのける 4指への痛刺激に対して四肢を引っ込める 3痛刺激に対して緩徐な屈曲運動 2痛刺激に対して緩徐な伸展運動 1運動みられず |
PTA、外傷性健忘について |
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重傷度 |
PTAの持続 |
わずかな脳振盪 |
0~15分 |
軽度の脳振盪 |
1.5~1時間 |
中程度の脳振盪 |
1~24時間 |
重度の脳振盪 |
1~7日間 |
非常に重度な脳振盪 |
7日間以上 |
JCSは3桁が重度な意識障害で、GCSは点数が低いほど重度な意識障害と憶えてください。
高次脳機能障害における後遺障害のポイント
1)入口部分の3つの要件の中では、意識障害所見が最も重要となります。
つまり、意識障害のレベルが認定等級に直結しているのです。
脳神経外科医は、MRIでびまん性軸索損傷の所見が得られなくても、意識障害のレベルで、それらの傷病の存在を推定し、診断しています。
半昏睡~昏睡状態が6時間以上継続していれば、立証上は、なんの問題もありませんが、5、7、9級では、外傷後健忘や軽度の意識障害であり、担当医が、入院中の被害者をつぶさに検証して、その詳細を把握することは、現実問題として困難です。
なぜなら、治療上の必要がないからです。
実態に反して、3、4日で意識清明とされれば、この後、なんと具体的に症状を立証しても高次脳機能障害は入口段階で否定されることになります。
3)想定される4つのパターン
|
意識障害 |
傷病名 |
画像所見 |
高次脳機能障害 |
1 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
2 |
○ |
○ |
× |
○ |
3 |
△ |
○ |
× |
△ |
4 |
× |
× |
× |
× |
1であれば、高次脳機能障害の立証に、苦労はありません。
2でも、なんとか頑張って立証に漕ぎ着けます。
3となれば、高次脳機能障害の認定は極めて困難となります。
4は論外で、高次脳機能障害として審査されることはなく、非該当です。
軽度脳損傷、MTBIは4に該当し、高次脳機能障害として評価されていません。
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